SACK AS6製作記前半
あまりにもカワイらしい姿に惹かれて、買ってしまいました。
奇形機好きなら見過ごせないヒコーキです。
空飛ぶビール皿がキット化するなんて、設計者のサックおじさん
が生きていたら、何と思うでしょうか
まず気になったのがどんな飛行機か?ということ
こんな機体ですから資料などもちろんなく、
ネット上を検索して、いろいろ調べました。
英語サイトを直訳した物を載せておきます。
少しぎこちない日本語ですが、大体のことは解ります。

《SACK奇形飛行機顛末》

1939年6月、
国家動力飛行機コンテストがライプチヒで催された。

農民で飛行機マニアのアーサー・サックは、
AS-1モデルという奇妙な機体を持ち込んだ。
酷いモノで エンジン始動は手動だったし、
しかも飛ばなかった。


しかし何故か アーンスト・ウデット空軍大臣は、
研究を続けることをアーサー・サックに奨励してくれた。

サックAS-6は彼の作った有人航空機の中では傑作だ。
彼は4つのAS-6派生モデルを作った。

AS-6は1944年初頭、
Brandis空軍基地近くの工場で組み立てられた。

不時着した Messerschmitt Bf109B から
操縦室、シート、及び、着陸脚を拝借した。
Messerschmitt BF108タイフーン連絡航空機からも
アルゴスAs10C-3 240 馬力エンジンを拝借した。
肋骨と、カバーの両方を形成する合板には
新素材のアセンブリを使った。

地面地上走行テストは、1944年2月に行われた。
5回の離陸走行は、1200メートルあるBrandis 第二滑走路上で行われた。
これらのテストの結果、方向舵が円翼の後ろのにできる真空エリアにあり、
十分に動かなかい ということが判明した。
しかも右の着陸脚は、折れていた。
これらの問題はエンジンの低い出力のために起こったと考えられた。

しかし、更に強力なエンジンの確保は
戦時中の物資不足のためできなかった。
着陸脚の問題は、着陸装置を20cm前方に傾けることによって
事故発生率を減らす努力が成された。
さらに主翼付け根から40cm後方に着陸装置を接続することにした。

しかし、これではあまりにも後方に着陸脚を付けることになるため、
離陸時に機体が前のめりになり、プロペラを破壊する危険性があった。
これを補償するために、 Ju88から拝借したブレーキが取付けられ、
70kgの重りがちょうど翼の付け根から3つめの助骨の前に加えられた。
さらに方向舵には、 20mm長くなった波形プレートを取り付けた。


第3 のテストは、 Brandisの 700 メートル滑走路上で
1944年4月16日に行われた。
その結果、尾輪が浮いた状態で500 メートル滑走し、
少しホップ(ジャンプ)した。

第4及び、最終テストでは、そのジャンプは、更に長くなり、
AS-6は飛行状態になった。
しかし、プロペラ回転による左方向へのトルクの問題が判明した。
小さくて斬新な翼は、プロペラのトルクを吸収するには
あまりにも短かった。

だがテストパイロットは、何を考えたのか
更に強力なエンジン、更に多くの風洞テストを推薦してくれた。
アーサー・サックは、戦争に間に合わすべく、すぐ製図板に戻った。


1944 年の夏、ロケット動力のメッサーシュミットMe163B、通称コメート
を飛ばした研究チームがBrandis に移動してきた。
彼らは、そこで AS-6 を発見。
飛ばそうとしたが、着陸脚の破損によって断念した。

AS-6 は、 1944年の冬、機銃掃射を受け損傷し、
終には木材徴用のために、バラバラにされた。
残された部品は、他に利用しようがない金属パーツ
だったので航空機海難救助エリアに投げ込まれた。

たぶん、こういうわけで、
1945年4月に Brandis空軍基地に入った米軍は、
サックAS-6の痕跡さえ見ることがなかった。


概要が解ったところで
早速製作開始。
簡易インジェクションキットで
構成や質がクラシックエアフレーム社
のキットに酷似していると感じました。
コックピット、エンジンはレジン。
キャノピーはバキュームフォーム、

細かいパーツは最初に切り取って、
洗浄後、トレイにまとめました。

ともかくパーツがどれも分厚い。
せっせと削って薄くします。

モールドは繊細は凹モールド
なのですが、布張りの感じが
表現されていなかったので、
彫りなおしました。

主翼の上下を接着。
こんな感じになりました。

機種部分。最初にパテ盛って
整形までしときました。
エンジンはプラ版に載せて
スライドさせて中に入れました。

キットの脚パーツ(左)は、
モールドが頂けない状態。
零戦のジャンクパーツ(右)を
流用することにしました。

コックピット、風防を
ジャーマングレイで塗装。
あとはドライブラシなどで
雰囲気を出していきます。

製作記は後半へ続きます。
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